すきなものひとこと・音楽
すきなもの(への)ひとこと・音楽


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bands


THE JESSICA FLETCHERS

GIG@Herrgår'n
2002/11/14


Apples in stereoの公演を観に行った日、
中に入るともうがんがんかっこいい音が流れていた。
「えー、もう始まったの?!」
「そうなんだよ、悪いんだけど。知ってる、これ? いいバンドだよ」
「おうよ!」知ってて観に来るんだって、
と駆け上がってみると、あれ? 
鳴ってる音も並ぶ顔もしゃべってる言葉も違う。
アップルズはどこだ?とあせるわたし。
でも空気は最高にグルーヴィーで、
もう違うバンドだろうがなんだろうがどうでもよくなった。
すらりとした3人が並んでギターとベースをかき鳴らしながら
そろってゆれて跳ねる。
音はときにポップ、ときに少々ロック、
そしてときにモータウンのようにグルーヴィー。
でも何よりも全体に流れるうねり感のようなものに
わたしはくらくらした。
この、ほとんど告知されてなかった
アップルズ北欧ツアーのサポートバンドは、
The Jessica Fletchers。
ノルウェーはオスロ出身の5人組で、
1998年に自主制作盤と思しきアルバムを1枚、
2000年と2002年にそれぞれ
"Sorry About The Noise!"、
"(Come On) It's Only Nine"というEP盤を
1枚ずつ出している。
現在レコーディング中のアルバムが2月にリリース予定だそう。
いま現在聴ける音源が少なくて
うまく書けないのがもどかしいのだけど、
「うねり感」というのがこのバンドの音を表す言葉かしら
と書きつつ、新作をたのしみに待つことにしよう。

records(albums+singles)

CARPET PEOPLE

Volley U Make
nons records nonscd49


大好きなThe Perishersのお気に入りということで
ずっと気になっていた「ウメオのローファイキング」。
やっと手に入れたNONSより97年リリースのこのアルバム、
1曲目から「まさに!」というへなへなぶり。
しかし、疾走感あふれるポップなチューンもありで、
よくわからないけどおもしろい、と結局聴き続けている。
決して派手ではないけど手元に置いておきたい、
そんなアルバム。好きです。


GRANADA

Granada
Sprinkler Records 159 533-2


今年3月、BELLE&SEBASTIANは初めて本格的に北欧の都市にやってきた。
そして彼らの前座を務めたのがなんとEUGENE KELLYとスウェーデンのバンドGRANADA。
男女のツインヴォーカルの澄んだハーモニーが静かなオーケストラのような演奏に乗って響いてくる。
彼らの登場を見逃したわたしは途中まで「もしやこれイザベルのソロバンド?」などと思っていた。
でも女性ヴォーカルはイザベルの声よりも奥行きがあり、音楽性も幅広そう。
そんなGRANADAはすでに4枚のシングル/アルバムを発表済み。
このアルバム"GRANADA"には初期カーディガンズのような弾むような曲もあるけれども、
基本的にはゆったり深みのある曲が並ぶ、心落ち着く一枚です。
6月初めには新しいアルバム"TAKES A LOT OF WALKING"もリリース。まだ未聴だけどもとてもたのしみ。



DAVID & THE CITIZENS
For All Happy Endings
Adrian Recordings ARCD 009


またもHGでひとめぼれしたマルメのバンド。3月にアルバムが出たばかり。
ピアノが中心のバンドということで、ベン・フォールズ・ファイブみたいな感じも少しする。
しかしこちらはピアニカ、トランペット、バンジョーまで飛び出す。
楽器をとっかえながらほぼ全員があちこちするため、ライブの時はステージ上が混沌と化していたけど、
演奏することを彼ら自身が楽しんでいるのがわかり気持ちよかった。
安っぽくなりそうなメロディーや楽器だけど、厚みがあるわたし好みの演奏。
そして印象はなぜかスウェーデンインディーっぽくない。
「〜っぽい」という表現は好きではないのだけれども、
「スウィディッシュ」ポップでもなく、鬱々インディーロックでもない、
そんな音を鳴らしているのはいまのスウェーデンにあっては
案外まれなことかもしれないと思うのであえてそう書いてみた。
すごくポップなのにねじれている。
もどかしさを吐き出してわめいて、ハッピー・エンディングにつながるならそれでいい。
遊園地で流れているような短調のメロディーを最後に聴くとき、それを強く強く感じる。




THE PERISHERS
FROM NOTHING TO ONE
NONS Records NONSCD 91


キャー、サイコー!!!!という感じではないのだ、このバンド。
待ちに待ってやっと出たこのデビュー・アルバムを聴いても。
聴く毎にじわじわと「いい曲だねえ、いいバンドだねえ」という感じがしてくる、でも。
もの足りないわけでもなく、でも「でも」が残る。
このアルバムが届いて数週間後の先週(2002/02/21)ライブを観た。
ほんの数ヶ月前と印象がかなり変わっていて驚き。
前回は鬱々とした感じ。今回は演奏も立ち方ももっと上向きで彼らの実力を感じた。
ダメダメな恋と自分を歌うボーカルOlaの声がすごく力を持っていることも知った。
「これからどんどん成長してほしい」なんて思っていたけど、おこがましいぜ。
彼らは実際どんどんたくましくなっている。
そうか、「でも」の理由はアルバム録音時と現在との1年の時差のせいなのかも。
ロックな音と繊細なメロディーと少しうつむき加減な歌詞のつまったこのアルバム、
これからたぶん長いお付き合いになりそうだから、「でも」も含めてイチオシします。



THE PERISHERS
The Night
NONS Records NONSCD 82


そのたたずまいから察せるようなどこか聴いたことがあるような60/70年代っぽいメロディー、
暗いなかで灯りをつけたような音、低く渋くやわらかいギターと声。
もうすぐデビューアルバムが出るTHE PERISHERSはそんな印象のバンド。
ライブでこなれた演奏だなと思ったけど、実はかなり若いらしいと知り驚いた。
このシングルを聴くと、年に似合わないそのあきらめというのか絶望感みたいなものが一段と伝わってくるが、
それなのに聴いた後は心地よさの方がこころに残るのだ。



A CAMP
A CAMP
Stockholm Records 014 324-2

決して今年いちばんのアルバムとかになる作品ではないけれど、
「ありがとう」と言いたくなるのがニーナのソロワーク。
どこかしこで目にする彼女のインタビューからは、
カーディガンズという初めはかわいらしくて楽しかったものが
いつしか彼女にとって重い足かせになってしまっていたんだな、ということがうかがいしれる。
しかしそんな背景は知っていても知らなくてもいいのだ、ほんとうは。
聴いていると、たとえば寒い日にあったかい部屋であったかい紅茶をコップを抱えて飲んでいる、
そんな気分になる。
シングルカットされている2曲目"I CAN BUY YOU"がアルバム全体の中で持つ存在感はやはり大きく、
言ってしまえば他にあまり印象に残る曲はないのだけども、
アルバムまるまる一枚をを通して聴くことで、
ニーナ・パーションというひとが初めて出した―たぶん正確には「やっと出せた」のだろう―
こころの奥底にあるものと、彼女の持つ力の奥深さがみえてくる気がする。



BJÖRK
SELMASONGS
Polidor LC00309

「女が身を犠牲にして男を救う」というフォン・トリアーの一連の作品のコンセプトが嫌でしょうがないが、
「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のビョークとミュージカルシーンからは目が離せなかった。
音だけが収録されたこのアルバムを聴いて、
あの映画の中でいかにいくつもの類まれな力と存在が圧縮されて静かにうごめいていたかを再確認した。
しかし、サントラの中での方が、セルマという音だけで生きていた人間が
より生々しく浮かび上がっているように思えるのは当然だろうか。



THE ZEPHYRS
It'S OKAY NOT TO SAY ANYTHING
EVOL010


実はアルバムまるまるは聴いていません、10曲中4曲のみ聴いただけです。
それでも書かずにはおれなかった。
へなへなしたギターとぼそぼそした声、気持ちが上向くような沈むようなへんてこできれいなメロディー、
わりに深味があるけど全体にこもった音。
歌詞は「君は僕の二番目、けど失いたくない」と辛辣でいい加減。
これが最近2枚目"WHEN THE SKY COMES DOWN, IT COMES DOWN ON YOUR HEAD"が出た
彼らの1枚目の印象で、わたしはきれいにまとまった新作(こちらは全部聴いた)よりもこちらの方が気になる。
こういう人っていますね。ほれちゃいました。



gigs

SPEARMINT
GIG@Herrgår'n 
2002/03/21


おなじみHGは小さな学生パブで、仮設ステージも驚きの狭さ。
だからライブもいつもわりと素朴。が、今回は違った。
ステージがマイクに至るまで緑と花で飾られていたり、
上からしゃぼんだまが降ってきたりと遊び心満載。
そして演奏、見せる、魅せる。
アルバムの音をきれいに再現していて、
なのにがっちりと厚みがあってかっこいい。
ロックと言ってもいいくらいしっかりした音は
レコードからは想像がつかないもので、
正直スペアミントがこんなにいいライブバンドだとは思ってもみなかった。
大満足です。



THE LUCKSMITHS
GIG@Herrgår'n
2001/11/08


久しぶりに気持ちのよいライブをみた気がする。
こころの奥のものがやわらかくなるような、
すっとほぐれていくような、そんな空間の中にいた。
ドラマーが真ん中フロントというその構成がまずふしぎ。
バスとスネアのみのセットをステップ踏みながらバシバシと叩き、
その音はしっかりしながらも軽やか。
ギターはヴォーカルとは別のラインに乗り、ベースラインも別。
すべてがみっつのシンプルなそれぞれ独立した音なのに、
ほんわかした深みのある密な空間ができあがる。
その深みは時間がたつにつれどんどん増していくのだ。
CDで聴いていたときには入ってこなかった歌詞が風景としてみえてくる。
オーストラリアのごつごつした山や広い地平線、太陽がみえた、気がした。
きらきらの直射日光ではなくて、ほわんとした白熱灯のような陽射しの中で。
その日スウェーデンは初雪の氷点下、
いつもはうつむき加減の人々を真反対の季節のくにの音がうれしそうにはねさせていた。


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